ブックタイトルライフアップVOL.79

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概要

ライフアップVOL.79

LIFE UP | 9福岡山王病院だより 福岡山王病院に関節外科センターが4月1日に新設され、前福岡大学医学部整形外科教授の内藤正俊医師がセンター長として着任しました。内藤医師は国際医療福祉大学の教授も務めます。 関節外科センターは、いつまでも自由に歩くために、整形外科と協力して下肢の関節症治療を行っています。長く歩いたあと違和感がある、関節を動かすと痛む、夜中に関節の痛みで目が覚めるなどの症状は関節症が原因で起こることが多く、代表的な疾患として股関節形成不全、変形性股関節症、変形性膝関節症などがあります。 症状、関節の診察、単純X線検査、CT検査、MRI検査などによって原因を確かめることが治療の第一歩です。初期の場合は、日常生活の工夫やリハビリテーションで改善が見込まれますが、悪化している場合は、骨切り術や人工関節置換術が必要になります。 当センターでは、寛骨臼(かんこつきゅう)回転骨切り術(RAO)をより低侵襲にした内藤センター長考案の低侵襲寛骨臼回転骨切り術(CPO)や人工股関節置換術など、一人ひとりに最適な方法で治療し、痛みのない快適な歩行を取り戻します。CPOは、▽傷が小さい▽術後の痛みが少ない▽骨癒合にきわめて優れている―――などの特徴があり、2004年に米国整形外科学会で学会賞を受賞するなど高い評価を受けています。内藤センター長は、日本国内のみならず国外からも招かれ、股関節症などに対する手術実演指導を行っています。 血管外科が4月1日に開設され、血管外科部長に前済生会福岡総合病院血管外科部長の星野祐二医師が就任しました。 血管外科では、主に下肢の血行不全の原因となる閉塞性動脈硬化症や動脈瘤といった動脈硬化性疾患から、下肢の血管がボコボコと浮き上がってしまう下肢静脈瘤などの静脈疾患まで、血管疾患に対して幅広い診療を行っています。 下肢静脈瘤は、足の血管が皮膚の表面に浮き出たり、瘤(こぶ)のように膨れ上がったりする病気です。良性の疾患ですが、悪化させると下腿に難治性の皮膚病変を合併し、重症化する可能性もあります。問診や視診・触診で静脈瘤の位置や皮膚の状態、症状の現れ方などを調べ、その上でエコー(超音波)検査を行えば、ほとんどの静脈瘤は診断がつきます。 当院では、下肢静脈瘤に対してカテーテルを使用して血管の内側からレーザーや高周波で処理する血管内焼灼(しゃく)術を実施しています。血管内焼灼術は、傷跡が小さく、出血や手術後の痛みも少ないのが特徴です。ただし、治療は手術がすべてではなく、弾性ストッキングをはいて血液が滞留するのを防ぐ圧迫療法や、硬化剤を静脈に注入する硬化療法などがあり、患者さん一人ひとりの病態にあった治療法を選択しています。当院では、多くの血管内焼灼術症例を手がけており、痛みを感じない無痛手術、日帰り手術や短期間入院治療など患者さんのご希望に応じた治療が可能です。専門/股関節外科、下肢のスポーツ外傷、変形性股関節症前福岡大学医学部整形外科教授日本整形外科学会認定整形外科専門医・代議員日本整形外科学会認定 脊椎脊髄病医日本股関節学会名誉会員日本人工関節学会理事日本整形外科スポーツ医学会代議員医学博士関節外科センター長国際医療福祉大学教授内藤 正俊専門/血管外科、下肢静脈瘤・血栓症などの静脈疾患治療前済生会福岡総合病院血管外科部長日本外科学会認定 外科専門医日本脈管学会認定 脈管専門医血管内レーザー焼灼術指導医・実施医日本静脈学会評議員・西日本支部評議員医学博士血管外科部長星野 祐二股関節など下肢の関節症の治療に特化関節外科センター長に内藤正俊医師が着任下肢の血管疾患に特化した診療を提供血管外科部長に星野祐二医師が着任