ブックタイトルライフアップVOL.79

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概要

ライフアップVOL.79

LIFE UP | 11大田施設長 水郷苑は1993年の開設で、柳川地区では最初にオープンした老人保健施設。地域から信頼され、頼りにされていることを肌で感じます。大田施設長37年間、ずっと佐賀大学で働いていました。専門は内科、特にリウマチ・膠原(こうげん)病です。患者さまもこれまでは若年・中年層が主でしたから、お年寄りの多い施設での仕事は環境が違いすぎました。高齢者は多くの病気を持つことが多く、ここではいろんな病気をほぼ自分の五感を頼りに診ることになりますから、医者の原点に戻った気分です。 ただ、高邦会グループの関連医療施設が近くにあることは非常にありがたいですね。隣には柳川リハビリテーション病院が、大川市には中核医療機関の高木病院があります。最先端の医療設備を備え、多くの専門医がいる病院と常に密接な連携ができることは、水郷苑の大きな強みです。大田施設長 入所者の在宅や地域での生活再開に向けて、看護職、介護職、理学・作業療法士、言語聴覚士などがチームを組んで頑張っています。 しかし、認知症を持つお年寄りが増え、さらに核家族化が進んでいる現状では、在宅復帰だけを目指していくのは厳しい状況だと思います。水郷苑には短期入所サービス(ショートステイ)や通所リハビリテーション(デイ・ケア)のサービスもあります。例えば週末にショートステイを利用すれば、その時には家族が自分自身の時間を有効に使うことが可能です。家族の介護疲れが少しでも軽くなれば、在宅生活を長く継続できることにつながりますから、ぜひ利用してほしいです。大田施設長 まず、職員のさらなる質の向上を図りたいですね。水郷苑でも定期的な勉強会やグループ活動発表会などはやっていたようですが、それをもっとレベルアップして、それまでのやり方にとらわれずに常に適切な医療・介護の技術や方法について個々の職員が考え習得していくための論文抄読会を始めましたし、長期的な視野に立った研究計画も始めようと考えています。 日々の業務の中から問題点を見つけ出し、その解決に向けて工夫・介入等を行い、その成果を発表できるような環境を作っていきたいですね。そして、努力した職員はきちんと評価して、やる気と向上心を伸ばしていきたい。医療や介護もサービス職です。職員のレベルが上がれば、利用者の満足度を高めて施設での生活を楽しんでいただくことができ、QOL( 生活の質)が高まります。 もちろん、施設の業務の効率化を含めたソフト面(システム)やハード面の改善にも少しずつ取り組んでいきたいと考えています。大田施設長 期待に応えられる施設にしたいですね。施設内外で健康教室などのイベントを活発に行い、地域密着型の活動を増やしていきたい。地域に向けて情報を発信していくことで、「この施設なら安心して預けられる」「いつか私もここでお世話になりたい」と言ってもらえるような水郷苑に育てたいと思っています。(おおた あきひで)佐賀大学名誉教授鹿児島大学卒業、医学博士前佐賀大学医学部看護学科長・看護学教育研究支援センター長2016年4月に水郷苑施設長に就任日本内科学会認定指導医・認定内科医日本リウマチ学会認定指導医・リウマチ専門医日本人類遺伝学会指導医・臨床遺伝専門医アメリカリウマチ学会会員、米国皮膚研究学会会員水郷苑 施設長大田 明英 介護老人保健施設水郷苑(福岡県柳川市上宮永町)に大田明英施設長が着任したのが、今年の4月。初めての老健施設での仕事に最初は戸惑いがあったものの「医者の原点に戻った気分。人に優しい医療の大切さを改めて利用者さまから教わっています」と話します。「地域との交流をもっと深めて、愛着をもってもらえる水郷苑にしたい」と意気込みを語りました。これからの水郷苑をどのように運営していきたいですか。地域の期待も高いですね。施設長に着任してからの感想をお聞かせください。現在の介護状況はどうでしょうか。大学勤務が長かったそうですね。「愛着もってもらえる施設に」大田明英・水郷苑 新施設長に聞く