ブックタイトルライフアップVOL.79
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ライフアップVOL.79
LIFE UP |7 柳川リハビリテーション病院では、11月3日、グループの専門学校柳川リハビリテーション学院共催で、第3回健康講座を開催しました。テーマは、「もっとよく知ろう認知症」。同病院副院長・内科部長の小池文彦国際医療福祉大学教授が、認知症とは何か、その種類と症状、診断・検査から予防・治療、診療体制まで、スライドを交えながら7つのポイントごとに分かりやすく説明しました。 参加者は、高齢の方からそのご家族、学生までと幅広い年齢層の300人。講演後は、学院祭を開催中の柳川リハビリテーション学院で、理学療法学科や作業療法学科、言語聴覚学科の学生や教員による認知症予防のための運動指導や脳年齢測定を行うなど、有意義な1日を過ごされました。 85歳以上は4人に1人が認知症。もはや認知症は、最も身近な病になりつつあると小池副院長は話します。病気を正しく理解することは治療やケアの出発点。まずは「認知症は状態像の診断であり、その原因疾患はさまざま」と理解することが大切です。 原因としては頭蓋内の病変、脳血管障害、変性疾患(アルツハイマー病など)、頭部外傷、水頭症、脳に影響を与える全身性の疾患、ビタミンB12欠乏症、低酸素脳症などがあるため、治る認知症を見逃さないことが重要です。 認知症には、記憶障害(もの忘れ)などの中核症状と徘徊・妄想・暴力・暴言・抑うつなどの周辺症状があり、攻撃的な周辺症状は時にご家族を困らせます。しかし、まだ治らない認知症でも、薬物などでコントロールできるのがこの周辺症状。保たれている機能や症状の特徴を利用したルーティーン化療法が介護者の介護負担の軽減に有効であったりするため、幻視やパーキンソニズムなど認知症に伴う異常の特徴的な症状に注目し、的確な診断・検査を行える専門医のいる神経内科の役割は大きいのです。 特に、認知症の特徴の一つは本人の自覚がないことであり、家族が相談に来た時には、病気の症状はかなり進行している場合が少なくありません。いかに早期に把握できるかが、認知症治療の鍵。診断には神経学的診察、観察法と質問法、頭部CT、頭部MRI、脳血流SPECT、MIBG心筋シンチなどを行います。 認知症の診断に際しては、服用している薬のチェックも不可欠。長い服用の中で症状を悪化させていたり、周辺症状は薬でコントロールできるので、精神科との連携も必要です。第3回健康講座「もっとよく知ろう認知症」小池文彦副院長・内科部長が認知症の診断・検査から予防・治療までを講演治る認知症を見逃さない!認知症の症状と診断・検査いかに早期に把握できるかがポイントです副院長・内科部長国際医療福祉大学 教授小池 文彦九州大学卒業日本神経学会認定指導医・神経内科専門医日本内科学会認定内科医福岡パーキンソン病友の会顧問井下 恒平九州大学卒業前九州大学病院神経内科医員元国立病院機構大牟田病院神経内科医員七條 千佳佐賀大学卒業前佐賀大学医学部附属病院神経内科日本神経学会認定神経内科専門医日本内科学会認定内科医神経内科・もの忘れ外来で早期に診断を健康講座「もっとよく知ろう認知症」開催柳川リハビリテーション病院だよりもの忘れ外来柳川リハビリテーション病院 神経内科柳川リハビリテーション病院柳川リハビリテーション病院では、専門医によるもの忘れ外来を設置。神経内科、精神科のチーム医療による認知症の診療体制を整えています。また、グループの高木病院と連携して検査の充実を図り、国際医療福祉大学との研究開発を臨床の場に活かしています。小池文彦副院長を中心に、脳卒中を含めた頭痛、手足のしびれ、めまいなどの神経系の疾患からパーキンソン病、多発性硬化症等の神経難病まで、神経系の総合的診療を行っています。専門医がてんかんに対する診断、治療も行います。もの忘れ外来も設置。●水曜日(午前・午後)赤松 直樹(神経内科)国際医療福祉大学教授、前産業医科大学神経内科学准教授●木曜日(15時~/要予約)原 富英(精神科)国際医療福祉大学教授、前佐賀県立病院好生館精神科部長●土曜日(月1回)原 英夫(神経内科)佐賀大学医学部神経内科教授、2005Alzheimer Award(米国)受賞※脳血流SPECT などは高木病院を利用〒832-0058 福岡県柳川市上宮永町113-2TEL. 0944-72-0001(代表)医療法人社団 高邦会10月、新たに2人の医師が着任しました